せっかくきれいに片づけたと思ったら、子供のおもちゃですぐに雑然としたリビングに…。こんな経験をした人は多いのでは? 子供がいてもきれいな部屋でスッキリと暮らしたいもの。教育コンサルタントで生活総合情報サイト「All About」子供のしつけガイドの上野緑子さんに片づけ上手な子供に育てるコツを聞いた。(油原聡子)
◆最初が肝心
「片づけの能力が身に付けば部屋がきれいになるだけではなく、子供が自分のことを自分で行う責任感も身に付きます」と上野さんは話す。
片づけ上手な子供に育てるには最初が肝心だ。幼稚園や保育園に入園する前頃から声をかけ始めるといいという。
子供が小さいと、片づける理由を伝えてもなかなか理解できないため、習慣化させるといい。今使っているおもちゃをきちんと片づけてから次のおもちゃを出すようにする。「遊びと片づけがセットだと覚えさせて」と上野さん。
「人形の場所はここ」「ブロックの場所はここ」というように、片づけの場所を子供でも分かりやすいようにしておくといい。収納場所がいっぱいだと片づけにくいので、なるべく収納量の7~8割程度にしておく。子供がリビングで過ごすことが多い場合、リビングに子供用の収納を用意し片づけやすくしておこう。
忘れていけないのが、片づけのたびに子供をほめることだ。作業中は「ちゃんとお片づけしてえらいね」。終わったら「部屋がきれいになって気持ちいいね」などと声をかけ、子供に片づけに対して嫌なイメージを持たせないようにしたい。
◆ゲーム感覚で
「ゲーム感覚を取り入れ、片づけは楽しいものと覚えさせるのもいいですね」と上野さん。「あの箱にどちらが早く入れられるか競争しようか」などと声をかけ、親子やきょうだい、友達などでゲームとして楽しみながら取り組んでみよう。
子供が小学校に入学する程度になったら、片づけの意義や理由を伝えるようにする。「片づけないと、次に使うときに見つからなくて困るでしょう」などと具体的に伝える。
子供がなかなか片づけないからといって、親が一人で片づけてしまうと逆効果だ。親が片づけてくれるものと思い、片づけなくなってしまう。また、次に予定がある場合には片づけの時間も予定に入れ、「片づけをしなくていい」という例外を作らないようにする。
子供部屋が散らかっている場合はどうすればいいか。上野さんは「親が勝手に掃除したり片づけたりしてはいけない」。散らかっていて目に余る場合でも、「このまま片づけないなら、お母さんが片づけちゃうよ」とまずは声をかける。「触られたくないから、すぐに片づけを始めることが多いですよ」(上野さん)
子供に片づけをしつけるには親の姿勢も重要だ。上野さんは「親がきちんと片づけをしていないと、子供は片づけなくてもいいや、と思ってしまう。親も常日頃から、しっかり片づける姿勢を見せることが大事」と話している。
(2013.1.10 産経ニュースから転載)