ノロウイルスを中心とした感染性胃腸炎が流行し始めている。過去10年間で最も流行した2006年に次ぐ勢いだ。例年、12月初旬から一気に増えて年末にピークを迎える。専門家は手洗いなど感染予防を呼びかけている。
国立感染症研究所によると、最新の1週間(5~11日)で、全国3千カ所の小児科で確認された患者は1カ所当たり平均8.75人で4週連続の増加。患者の中心は乳幼児で、0~5歳までの患者が全体の6割以上を占める。宮崎、福岡、熊本などの九州地方や西日本を中心に、全国的に増える傾向にある。
ノロウイルスは発症すると熱が出て吐き気や下痢などを起こし、脱水症状になることもある。ウイルスを含んだ嘔吐(おうと)物や便から広まり、保育園や小学校などで集団発生することが多い。耳かき一かきほどの量の便に1億個以上のウイルスが含まれ、10~100個が体に入っただけでも感染するという。感染研ウイルス第二部の片山和彦室長は「食前にしっかりと手洗いをすることで予防してほしい」と話している。
(2012.11.27 朝日新聞から転載)