2012年10月16日、米華字紙・僑報は記事「中国式教育よ、スピードを落としてください」を掲載した。
先日、中国教育部は「幼児教育指南」を発表した。まだ幼児のうちから詰め込まれてしまう中国式教育を反省し、子どもの負担を減らすゆとり教育が狙いだ。
ところがこれに反発しているのが保護者。「幼児教育指南」では5〜6歳の子どもは10までの数字の足し算引き算ができれば十分との基準を示しているが、それではいい小学校に入れないと不安を見せている。
この不安にこそ今の中国の教育が抱える問題が集約されている。他の子どもよりも我が子のスタートが遅れてはかわいそうだ、とまだ幼児のうちから詰め込み教育を開始する。このように幼稚園から小学校、中学校、高校、大学まで受験競争が続いているのだ。
「幼児教育指南」はこうした行き過ぎた早期教育を是正する狙いを持つ。その後の受験競争そのものにメスを入れられなければ、すなわち幼児のうちから詰め込み教育をしなくともいい学校に行けるとの保障がなければ、幼児教育指南の志は絵に描いた餅である。
(2012.10.16 産経ニュースから転載)