ベネッセコーポレーションの社内シンクタンク『ベネッセ次世代育成研究所』が「幼児期から小学1年生の家庭教育調査」を実施。
幼児期にトイレ、食事、あいさつ、片づけなど生活していくために必要な生活習慣が身についているかどうかで「学びに向かう力」が左右される実態が裏付けられた。数千人規模の大がかりなアンケート調査でこうした傾向が明らかになるのは初めてだ。同社は「親は子どもが生活習慣をきちんと身につけるよう働きかけることが必要」としている。
調査は幼児通信教育「こどもちゃれんじ」会員や同社に各種資料を請求をした幼児から小学1年生の子どもを持つ母親1万4000人を対象に1~2月に実施。35.8%に当たる5,016人が回答した。
年長児の母親1125人に聞いたところ、生活習慣が身についている子は83.5%が「物事をあきらめずに、挑戦することができる」に該当したのに対し、生活習慣があまり身についていない子は同53.3%だった。
さらに生活習慣が身についている子ほど「自分の言葉で順序を立てて、相手にわかるように話せる」の割合も高かった。
また、年長児において、母親が「子ども自身が考えられるようにうながす」が「ある」ケースと「ない」ケースを比較した場合、「数を足したり引いたりすることができる」(文字・数・思考)の割合は前者で90.7%、後者で73.8%と差が出た。同様に、「あきらめずに挑戦する」(学びに向かう力)ができる割合も、前者で80.5%、後者で53.8%と差が出た。つまり、母親の「子ども自身に考えさせる」うながしが多いほど、「文字・数・思考」「学びに向かう力」は伸びる傾向にあった。
これらの結果により、「子ども自身が考えられるよううながす」ことは、「親が子どもの言葉を聞いて応答する=子どもを認める」ことから始まるとして、子どもの「今日あった出来事を聞く」ことなど、コミュニケーションをとる姿勢が大切だとまとめている。
(2012.10.20 塾ニュースから転載)